高純度均一形状イリジウムワイヤー

製品の説明

概要

イリジウム線は、高純度イリジウム（Ir）で作られた特殊な金属線です。優れた高温安定性、耐食性、機械的強度により、電子デバイス、高温炉、光学結晶成長、航空宇宙、ガラス製造など、過酷な環境下の精密工業分野で広く使用されています。

イリジウムの特徴

• 非常に高い融点を持ち、軟化、変形、溶融することなく、高温下でも優れた機械的特性を維持します。
• 非常に強い化学的安定性があり、酸、アルカリ、塩、およびほとんどの溶融金属（アルミニウム、シリコン、ガラス溶融物など）に対して優れた耐食性を示します。
• 優れた機械的強度（約1100 MPa）と耐疲労性があり、精密機械加工や耐荷重用途に適しています。
• 高温真空環境下では、イリジウム線は揮発による質量損失がごくわずかで、周囲のコンポーネントへの汚染を最小限に抑えます。
• 優れた電気伝導性と熱伝導性（約147 W/(m·K)）を備え、機能性と安定性のバランスが取れています。

仕様

用途

1. 高純度均一形状イリジウム線は、高温熱電対や電極線に頻繁に使用されるだけでなく、高温環境（航空エンジン用途の温度センサーリードなど、高温下での安定した電気信号伝送が必要）における信号伝送線としても使用されます。
2. イリジウム線は、真空炉（半導体産業の単結晶成長炉など、高真空で不純物のない環境が必要）の加熱素子や支持線、宇宙船の高温部品線（衛星姿勢制御システムの精密ワイヤなど）に最適です。
3. 純粋なイリジウム線は、精密機器（強度と導電性の両方が必要なハイエンドセンサーやマイクロ電子デバイスの内部リードなど）の導電線および接続線、医療用インプラント（ペースメーカーの電極線など、体内で長期にわたって構造的安定性を維持し、人体組織と反応しない必要がある）の精密ワイヤに適しています。
4. Ir線は、化学処理（電気分解槽や電気メッキ槽の精密電極など）の耐食性電極線、原子力用途における放射性物質を取り扱うためのワイヤ材料、ガラス製造における溶融ガラス用の攪拌軸ワイヤ（高温ガラス溶融物による腐食と汚染を防止）として機能します。

プロセス

① 還元反応により、精製されたイリジウム化合物が金属イリジウムに変換され、99.9%を超える高純度イリジウム金属が得られます。

② 真空または不活性ガス保護下で溶融が行われ、その後、特殊な金型内で冷却および成形され、円筒形または立方体のイリジウムインゴットが形成されます。

③ 通常、10～20回の伸線パスが必要で、インゴットは必要な直径の細いワイヤに徐々に引き抜かれます。延性を高めるために、各伸線パス後に焼鈍が行われます。

④ 伸線が完了すると、ワイヤ表面は滑らかさと傷がないことを確認するために、細心の注意を払って研磨され、高精度用途の要件を満たします。

⑤ 引張強度、抵抗率、耐食性など、包括的な品質検査、寸法精度試験、目視検査、および性能評価により、製品が規格に準拠していることを確認します。

⑥ 乾燥した環境での密閉包装により、酸化や湿気の侵入を防ぎ、製品の品質と保管安定性を保護します。

イリジウム線写真